西国十番札所 明星山 三室戸寺

国道から、昔の面影が残る静かな道をとおり、ると、山門前に駐車場がある。蓮の花にかこまれた 花の三室戸寺。

京都府宇治市菟道滋賀谷21
地図参照ください

三室戸寺略縁起

西国観音霊場十番の札所で、本山修験宗の別格本山です。当寺は8世紀の創建と伝えられる古刹で、 約1200年前(宝亀元年)光仁天皇の勅願により、三室戸寺の奥、岩渕より出現された千手観音菩薩を御本尊として創建されました。 開創以来、天皇貴族の崇敬を集め、堂塔伽藍が整い、霊像の霊験を求める庶民の参詣で賑わうこととなりました。 宝蔵庫には平安の昔を偲ぶ五体の重要文化財の仏像が安置されております。現在の本堂は約180年前(文化二年)に建立された重層入母屋造りの重厚な建築で、 その背後には室町時代の十八神社社殿、東には鐘楼・三重塔があります。 本堂には、本尊の金銅二び千手観音立像、釈迦如来立像、毘沙門天立像が安置されています。 枯山水、池泉回遊式の室町時代の作法を模した庭園には、多数のつつじ、石楠花、紫陽花等が植えられ、 はなやかな彩りを添えるとともに、訪れる人にさわやかな季節感を与えてくれます。 また、境内には、源氏物語宇治十帖の悲劇のヒロインである浮船の石碑や松尾芭蕉の句碑があります。                   

源氏物語 宇治十帖

浮舟 正月、中君のところに宇治から消息があった。浮舟のことを忘れられない匂宮は、家臣に尋ねさせたところ、 まさしく浮舟は、薫君にかくまわれて宇治にいることがわかった。そして、ある夜、闇に乗じ、薫君の風を装って忍んで行く。 浮舟が事に気づいた時はもう遅かった。浮舟は、薫君の静かな愛情に引きかえ、情熱的な匂君に次第にひかれていく。 薫君は物思いに沈む浮舟を見て、一層いとおしく思われた。 如月の十日頃、雪の中、宇治を訪れた匂宮は、かねて用意させていた小舟に浮舟を乗せ、橘の小島に遊び、対岸の小家に泊って一日を語り暮らした。
橘の小島は色もかはらじを この浮舟ぞゆくへ知られぬ 浮舟は、二人の間でさまざまに思い悩んだ末、遂に死を決意する。
芭蕉句碑
山吹や 宇治の 焙炉の 匂ふとき