西国十六番札所 音羽山 清水寺

京都市東山区清水1-294
地図参照ください

清水寺の寺名の縁起

ここ「音羽の滝」の霊水にございます。 大和の僧 延鎮法師が観音様の夢のお告げによって、霊水を求め、東山山中の音羽の滝に至り、ここで長年修行を重ねてきた行叡居士より授けられた木片に観音様を彫り、 お滝に祀られました。ここに清水寺開創の縁起がございます。 松風や 音羽の滝の 清水を 結ぶ心やすずしかるらん(西国観音霊場第16番 清水寺ご詠歌) 清水寺の縁起からしまして、清水寺にお参りされる皆様方にとりましても、音羽の滝での汲水は欠かすことのできない所作となっております。 現在、お滝の壇上に祀られておりますのは、くりから不動明王でございます。お不動様は観音様の化身であるとも言われております。 お滝の水は、地下1000メーターの鴨川の伏流水が東山断層の割れ目に沿って噴出したもので、太古より枯れることなく滾々と湧泉しております。 緒滝は日本10大名水としてもひろく親しまれております。壇上、滝裏には二童子を従えて不動明王が立っておられ、向かって左には行叡居士の修行像が安置されております。 清水寺の寺名は、延鎮法師が修行された南の方角にある大和の「観音寺」にちなみ「北観音寺」とされていましたが、 お滝の水が観む音利益の黄金延名水として神聖視されたことと、密教信仰の影響を受けた水垢離(滝行)のための「清水」の世称がお寺の公称になったものでございます。

西 門

寛永八年(1631)の再建。三間一戸、正面8.7m 側面3.9mの優雅な八脚門で、西面して急な石段上に建つ。 単層・切妻造り、桧皮葺き屋根で 正面には向拝をつけ 七段の木階を設け 床と共に高欄をめぐらし  背面には軒唐破風を架ける大層珍しい形式になる 軒は二重繁垂木、斗ぐみは和洋一手先出組み。 左右の脇間に鎌倉様式の写実性と量感ゆたかな持国天と増長天の立像を奉祀する。開放されている中央の間は立派な折上小組格天井となり、 また随所に勝れたかえる股・虹梁・木鼻などを多く備え、平成五年(1993)丹塗りと極彩色文様が復元され桃山様式の華麗さを再現している。 拝殿風の華美なこの門からの京都市街。西山の眺望はすばらしい。勅使門にも使われたが 絶好の洛中展望台とされ かつ西山に沈む夕日の見事さに西方極楽浄土を観想する日想観拝所となったとも考えられる。前方の仁王門と二門が相並び立つ趣向は格別に意味深長である。 北法相宗 清水寺