西西国十四番札所 長等山 三井寺

園城寺(三井寺)は、天台寺門宗の総本山で古くから日本四箇大寺の一つに数えられています。その歴史は天智・弘文・天武天皇より 「園城(おんじょう)」の勅額を賜り、「長等山園城寺」と称したのにはじまります。俗に「三井寺」と呼ばれるのは、 天智・天武・持統天皇の産湯に用いられた霊泉があり「御井(みい)の寺」と呼ばれていたものを、後に智証大師が、厳儀・三部潅頂の法水に用いられたことに由来します。

滋賀県大津市園城寺町246
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仁王門(重要文化財)

宝徳四年(1452)の建立。浄城への表門として慶長六年(1601)、徳川家康により甲賀の常楽寺より移築、寄進された。

観音堂

西国三十三所観音霊場の第十四番目札所  本尊は如意輪観音(重文・平安時代)で、三十三年ごとに開扉される秘仏。 琵琶湖を眺望する境内には元禄二年(1689)再建の観音堂を中心に諸堂が並び札所伽藍を構成する。

絵馬堂

亨和二年(1802) 絵馬堂から琵琶湖の眺望     

金堂(本堂・国宝)

三井寺の総本堂。本尊の弥勒仏は天智天皇が信仰されていた霊像で、秘仏として静かにまつられている。現在の建築は、 豊臣秀吉の北政所により慶長四年(1599)に再建された。桃山時代を代表する建築として知られている。

鐘楼(三井晩鐘・重文)

慶長七年(1602)の再建。梵鐘は、近江八景「三井の晩鐘」で知られる。宇治の平等院、高尾の神護寺と共に日本三銘鐘に数えられ、 荘厳な音色は有名で、「日本の残したい音風景百選」にも選ばれている。

唐院(重文) 

三井寺の開祖・智証大師円珍和尚(814~891)の廟所として最も神聖な場所。唐院の名は智証大師が入唐求法の旅で持ち帰った経典類を納めたことに由来する。

三重塔

慶長六年(1601)徳川家康により寄進された。もとは奈良県・比曽寺の塔で、室町初期の建築。

微妙寺

三井寺の五別所のひとつで現地に移築したもの。本尊は十一面観音(重文・平安初期)で、現在は護国十一面観音霊場の第一番札所となっている。     

毘沙門堂(重文)

元和二年(1616)の建立で、極彩色に荘厳された優美な建築。

釈迦堂(重文)

室町初期の建築で、中世寺院の食堂の様式を伝える。本尊に清涼寺式釈迦如来をまつる。