西国十二番札所 岩間山 正法寺 岩間寺

滋賀県と京都府の境にある標高445m岩間山嶺上にあり、静寂に包まれた境内は歴史と四季折々の自然が共存する。 養老6年泰澄大師が第四十四代女帝元正天皇の勅命で建立、ご本尊は『汗かき観音』『厄除観音』として親しまれている。

滋賀県大津市石山内畑町82
地図参照ください

ご本尊千手観世音菩薩(秘仏)

もとは、元正天皇の御念持仏で、御丈四寸八分(約15cm)の印度請来金銅仏。毎夜、衆生済度に駆け巡り明け方汗びっしょりになられている姿より 『汗かき観音』雷が弟子になったとの伝えから『雷除観音』、元正天皇の厄難を除いた故事により『厄除観音』と呼ばれている。両脇侍は吉祥天と婆蘇仙人、 いずれも桂の一本造りで、泰澄大師作と伝わる。

芭蕉池

『観音霊験記』によると俳聖松尾芭蕉は、数日間参籠し霊験を得て、その蕉風を確立したと伝えられている。
古池や 蛙とびこむ 水の音 (松尾芭蕉)

ご本尊出現の霊木

泰澄大師が霊地を求め諸国を行脚し、岩間山中のこの桂の大樹よろ千手陀羅尼を感得し、自ら等身の千手観音像を刻み、 元正天皇の御念持仏をその胎内におさめ祀ったと伝わる。現在、その切株より育った桂は、別名『夫婦桂』といわれている。     

大師堂

当山開山泰澄大師 白鳳11年(682~767)6月11日、越前麻生津に生まれる。幼少の時より神童的で、常に十一面観音を念じ、僧侶となってからは荒修行を積み、 その名は早くから中央にも知られていた。大宝二年(702)には鎮護国家法師に勅任されており、養老六年(722)には元正天皇の病気平癒のため、 奈良の都に来たと伝えられている。同年、加賀白山を開く途上、元正天皇の勅命により、当山を開く。宗祖弘法大師 真言宗の開祖 宝亀五年(774)~承知二年(835)